田中俊也/スマ養殖



愛媛県宇和島市出身。

愛媛大学農学部 海洋生産科学特別コースで水産業を学び、上京。

養殖~飲食店経営までを一貫して行う水産会社で経験を積み、

その後、半年間は水産業を離れ東京・浅草で人力車を引く俥夫に。

2018年に地元の宇和島へ戻り、家業である魚養殖の仕事に就く。

翌年から「幻の高級魚」とも言われるスマの試験養殖を開始。

AIやITなど最新技術を駆使し水産革命のファンファーレを鳴らす。



水産革命のファンファーレ

東京での生活は3年間と決めていた。

2年半勤めた水産会社の会社員時代

飲食店ではお客様の声を聞き

築地へ仕入れに通い

首都高を活魚車で走り

長崎の自社養殖場へ行き

加工所で魚をさばいてフィーレを作るなど

魚の流通に関することは万遍なく経験した。


その後、半年間にわたって

東京の一大観光地「浅草」で人力車を引いていたのは、

今まで水産業を知らない人と関わってこなかったからだ。

小さい頃からずっと身近なところに水産業があった。

半年間、水産業を離れたことで

思った以上に水産業を知らない人が多くいたことに気付けた。


その人力車時代の教えがある。

「人力車には販売するモノがない。だからサービスを販売する。」


地元宇和島へ戻り、その教えを今の仕事に置き換える。

「魚を食べたことのない人に、魚を食べてもらわなければ。」


だからこそ小さい頃からずっと言ってきた

『美味しい魚を育てる』という信念はブレることはない。


自分で真心を込めて育てた魚は責任を持ってお客様へ届ける。

そのために店頭販売やオンラインショップにも果敢に挑戦する。




IT技術×水産業

家業の株式会社神明水産では

タイ・シマアジ・カンパチ・スマの養殖を行う。


タイの養殖には魚の特性を生かしながら、AI技術を駆使して

魚が食べたい時に食べたい分だけエサを与えるシステムを導入。

無駄なエサを与えなくて済むため、

作業の効率化や海の環境への配慮にもつながる。


その他にもドローンで沖の生簀や潮の様子を確認したり、

生簀の中の魚の様子や水質はスマートフォンで管理するなど

積極的に最新技術を導入する。


こうしたAIやITの技術で作業を効率化するからこそ

オンライン販売や営業に力を注ぐこともできる


オンラインショップでの販売管理も自らが行う。

一般的に生産者は卸業者に魚を販売するため、

自分が育てた魚をお客様が食べる姿を知る術がない。

オンラインショップを通じてお客様と関わることで

「ごちそうさまでした」

「こんな食べ方で食べました」

のメッセージを励みに楽しみながら仕事に向き合い、

さらに今後の養殖業へ活かしていく。

これからもオンラインショップやSNSなどを通じて

消費者の方と繋がっていく姿勢は崩さない。



幻の高級魚「スマ」

2019年からスマの試験養殖を開始した。

スマは全身トロの稀少な“幻の魚”とも呼ばれる。

脂がのった濃厚な旨みとモチモチでとろける食感。

知名度が低いながらも味は高い評価を受ける魚だ。


しかし養殖業者としてはリスクが大きいうえに手がかかる。

マグロと同様に泳ぎながら呼吸をするため

常に泳いでいなければ死んでしまう。

そのためエサの消費量が多い。

与えるエサの量に対して魚の増重量を示す増肉係数が

他の魚に比べてもかなり高い。

タイなら1kgの魚を育てるために2kgのエサが必要なのに対し

スマは1kgの魚を育てるためにはおよそ13kgのエサが必要になる。


加えてスマは肌が弱く潮の変化を敏感に感じ取る魚。

寒さにも弱く水温15℃を下回ると生きていくことができない。

水温の変化や酸素量などデータで常にチェックする。

気を抜くことはできない。

商業的に養殖が始まったばかりのスマはデータがなく、

どういう育て方がこの魚に適しているのか探りながら進めていく。

これから改善すべきことはたくさんある。

スマの品質と生産性をさらに上げていく挑戦は続く。


またスマの販売面でも奮闘している。

スマは11月中旬から12月にかけて最高な状態で出荷ができる。

水温が下がるとスマの運動量が減るため身に脂が乗ってくる。

逆に脂は乗りすぎると美しいピンク色の身を作ることができない。

最高の状態のスマを届けるためにはこのタイトな販売期間内で

まだ世間の認知度が低い「スマ」をPRしなければならない。


昨年にはクラウドファンディングへの挑戦、

現在はオンラインで予約受付を始めるなどの対応をとっている。


同時に地元の企業組合「こもねっと」とともに

スマのハムなどの加工品開発にも取り組んでいる。



楽しんでないと人を楽しませることはできない。

「自分が楽しんでないと結果は出てこない」

仕事をするうえで大事にしていることだ

しんどい時にしんどいと思っていても

状況は決して良くはなっていかない

楽しんでないと人を楽しませることはできない。


どんなことが起ころうと楽しむ

諦めないことこそ挑戦



株式会社 神明水産

〒798-0211

愛媛県宇和島市蔣淵1686-1


Tel:0895-63-0338

WEBサイト:https://shinmei-suisan.jp/

Instagram:@shinmei_suisan.38

Facebook:田中俊也


スマ販売サイト:POCKET MARCHE_田中俊也

(ご注文受付期間:11月~12月)


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