山口 暁/建築家



愛媛県大洲市出身。

九州の大学を卒業後、渡英しロンドンで大学院課程を修了。

2011年~ロンドンの建築設計事務所で建築設計業務に携わる。

2016年に日本へ帰国後、山口暁建築研究所を立ち上げる。

現在は愛媛県松山市を中心に建築・アートの分野で活動中。

建築設計以外にも空間演出、空間造形なども手掛ける。

徳島LEDアートフェスティバル2016ではアート作品「光のなる木」をデザインコンペ選定作品として制作。

そんな活動の傍ら、自由で率直な意見交換のための場「Think Tank」の企画運営を行うなど様々な分野で果敢にチャレンジを続ける。



『自分と違う』を受け入れる


「視野を広げたい」

20歳の頃、英会話の外国人講師の生き方や時間の使い方が新鮮に見えた。

自分で判断して自分の道を切り開いていくという考え方に惹かれ、

自分の考え方や視野を広げ、人間として大きくなりたいと海外留学を決意。

「何をしに行くんだ」と挑戦に消極的な声もあった中、

一度決めたらやり通す性格がそれを押しやった。


ロンドンでの生活は違うことだらけだった。


普段はEU圏内を中心としたヨーロッパの人たち、アフリカの人たち、アメリカ・中南米の人たちと接した。

まず考え方が違う、言葉の伝え方が違う、話し方の距離感も違えば対面して立つときの物理的な距離感も違う。

日本だと当たり前であることが、相手が当たり前と思っていない。

逆に相手が当たり前と思っていることが、自分にとっては当たり前ではない。

こういったことが日常生活の中でたくさんあった。


決して曲げない自分の軸があった。

まずオープンであること。

受け入れる姿勢を基本的に持ち、相手の考え方や文化をそのまま受け入れることから始めた。

受け入れるということは自分と違うものに触れるということ。

自分と違う物を自分の中に受け入れるタイミングで摩擦も発生する。

しかしそんな自分と違う価値観を一度そのまま受け入れる。

自分の中に取り込めるかどうかは別としても理解しようとすることは、

違う国、違う文化の中で生活をする理由を見出すうえで必要と考えたからだ。

ロンドンには日本人も多くいる中で、あえて日本人との交流を持たずに過ごした。

正面から全てを受け入れるスタンスで生活をした。

精神的に消耗していった。

建築デザインの成果物で自分自身の表現を続け、コミュニケーションをとった。

自分の表現を続けることによってだんだんと道が開けていった。

そして現地で生きるために合理的な判断もできるようになった。

ロンドンという色んな人種や文化が入り混じる場所に8年間身を置いたことで、

文化や宗教、食事、考え方、伝え方を許容する力を身につけることができた。

多様性を受け入れた。



言葉にならないことを空間に変える


2016年、挑戦の舞台をロンドンから愛媛に変え『山口暁建築研究所』を立ち上げた。

主に建築設計・建築デザイン、改修・改築・リノベーションを行う。

仮設的な空間で空間アートを制作して一般の人にも空間表現の面白さを伝え、

建築をもっと好きになってもらうような活動にも力を入れる。


店舗、一般住宅、公共施設など設計する対象にはこだわらない。

建築設計に必要な核となる考え方があれば、それをもとに空間設計できると考えるからだ。

それだけの下積みも海外でやってきた。


建築設計の依頼の連絡を受けたら直接会いに行く。

要望を聴きながら、言葉にならない要望を汲む。

一連の仕事の流れの中で最も大事にしている部分だ。

設計デザインには答えがない。

状況によって色んな形や表現になりうる。

表現方法によって考察する部分はかなり多い。

そこからかたちに落とし込んでいく。

まずスケッチから始まり、CADを使用して図面を描く。

間取り図(平面)で表現したり、断面図(建物を横に輪切りにした図)で立体的に捉えた時にどう空間がつながっているかなど、縦方向・横方向・外観・内外と立体的に考察を重ねていく。

その中で模型を制作するなど立体的に表現することで、光の入り方や風の流れもイメージできるようにする。

建築設計において重要な要素だ。

一度かたちにすることで、施主のさらなる要望を汲んでいく。

その過程を何度も重ねていく。

設計内容が固まれば施工の手配まで手掛ける。

より完成度の高いものを提供するためだ。


この一連の流れの中で常に考えていることがある。

「ちゃんと可能性を引き出せているのか」

空間としての可能性、建物が建つ場所の持つ可能性を引き出せているかを常に気にしている。

周りに建物がないという敷地は、ほぼない。

周りの環境や建物の状況で、

「光がどのように入ってくるか」

「風がどのように流れるか」

「隣りの建物の窓の位置がどうなっているか」

「建物が今後どのくらいの期間存在するか」

想定しかできないこともある。

様々な可能性を考えたうえで建物のデザインを立体的な空間として表現していく。


自らが設計した建物はずっと残っていく。

だからこそゼロから生み出す責任がある。

残っていいと思えるものをつくっていく。

空間作品の一つとも言える自由で率直な意見交換の場『Think Tank』

常に視野を広くもち合わせていたいという想いから始まった。

色んな職種の人に来てもらうことによって違う人の意見に触れ、

参加者それぞれの視野が広がるような場になってほしいと願う。



建築で人生は変えられる


建築は生涯をかけて追求していく。

20歳の頃に建築は一生やっていくことだと意識していた。

建築の面白さを感じ始めた時のことだ。

美術館建築を設計したいという目標が生まれた。

ロンドンでの挑戦をする決断にも至った。

そして常に目標を見失わずに走り続けることができた。


建築をつくる者として建築の力を信じている。


毎日使う空間に

「どんな光が入るのか」

「どんな風が通り抜けるのか」

「どれだけ暗いのか」

「どういう質感なのか」

感覚に訴えるような空間に身を置くことによって、その場所を利用する人の感受性は高まる。

感受性が高まっていくと、身の周りに起こっている事に対して反応することができていく。

するとものの見え方や景色が変わってくる。


建築はその人の人生を変えることができる。


そんな建築が持つ力を伝えていく。



挑戦は常に傍にある


挑戦とは常に傍にあるもの。

常に挑戦する姿勢は持っていたいと思っている。



山口暁建築研究所


事務所:〒790-0001 愛媛県松山市一番町1-11-16 4F

古民家スタジオ:〒791-8061 愛媛県松山市三津1丁目11-5 木村邸(登録有形文化財)内


mail:info@akirayamaguchi.net

公式WEBサイト:https://akirayamaguchi.net

Instagram:akirayamaguchistudio

Twitter:@akirayamaguchiS



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